midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「漫画家入門」を読む。

面白かった。すごく緩い日記なのだが、浅野いにおという作家が普段何を考えてるのか、家族、生活、創作の話が地続きで色々と語られている。

一読しての感想は良い意味で本当に力入っていないなという文章だったこと。日記も連続して書いてる時と期間が空いてる時もあるし、書かれる内容もアシスタントとゲームしたとかコンビニでの出来事とか意味もなくyou tubeをダラダラ見てる話とか久しぶりに会った両親と微妙な空気になったみたいなどうでも良い話が多くて、全然カッコよく見せようとしてない感じが良い。本書で取り上げられてる作家やアシスタントはちょっと調べるとすぐ本人を特定できるような人も多いが、彼らにどの程度配慮して書いてるんだろう?と不安になるくらいだ。

総じて漫画の創作場面がなければほぼニートの日記みたいな感じだが、「些細な日常の中から特定の出来事を選んで書く」というのは繊細で叙情的な物語を数多く書いてきた著者のセンスが生きていると思うので、「なるほど、こういう出来事を面白いと思うんだな」という妙な納得感があった。

創作の話についても構えた感じはほとんどなくて、同業者での背景の描き方について議論があったとかデジタルをどのように活かすかみたいなことを備忘録的に書いてる感じが頭の中をのぞいてる感じで面白かった。