midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

ヘテロゲニア・リンギスティコ」を読む。

ずっと前に3巻まで読んでたのだが、内容ほとんど忘れていて、改めて読み直してみて面白いなと。種族が違えば感覚器官に違いがあるので、お互いの意思疎通方式がN対Nになる。特定の手段でコミュニケーションを取ったとして相手から反応がなかったとしても、それが種族全体で受け取れないコミュニケーションなのか、その相手固有の問題なのか(老いている、子供だから分からないとか、イライラしていて反応したくないなど)など様々なパターンが考えられるので常に判断が保留になるなど、フィールドワークをする研究者の面白さが詰まっていて良い。ただの研究者として根掘り葉掘り聞こうとする態度の人に対して、人として扱われない感じがして積極的に会話したいと思わないよね、と諭されるエピソードも良い。

個別の言語学に関する面白いエピソードはたくさんあるのの、まだ世界観自体の解説や主人公の目的や動機の掘り下げといった物語の本筋は大きく進んでないので、これからも老い続けていきたい作品。