midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「ヒップホップ・レザレクション」を読む。

発行当初から気になってはいたのだが読む機会がなくて今更読んでみた。ヒップホップ文化で描かれる神や信仰に関する表現や救済について博士論文をもとにまとめたもの。

新しい学びはあるのだが、内容の重複が多くて読みづらいかなと感じた。あと、量的調査がほとんどないので、「ラップにおいて⚪︎⚪︎に関する表現が増えていった」みたいな論の進め方が多少強引に感じる部分もあった。あと、著者は牧師ではあるが、もちろんヒップホップのヘッズなので、「現実に起きる社会問題に対して不甲斐ない対応しかできない教会に失望するヒップホップ世代」というスタンスでの書き方になっているのだが、もう少しキリスト教や教会の実情を分析してもらえると面白いのになと思った。キリストの教えってそれほど現世利益的じゃないと思っているので、必ずしも社会問題を解決するべき機関じゃないのでは?と読んでて思ったのだがどうなんだろうか。

とは言え、アメリカの建国の歴史から遡って丁寧に黒人の文化や音楽、信仰の変化を分析しつつヒップホップとの関わりを論じているのでヒップホップに興味のあるものなら学んでおくべき内容だと思う。