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 「ナイアガラ」を観る。

ナイアガラ（字幕版）

最近50年代の映画を立て続けに観てきたが、さすが名作として現代に名が通ってるだけあって面白かった。マリリン・モンローの妖艶でねっとりとした美しさなしにはなりたたない、ヒッチコックみたいなサスペンスだった。

謎解きはそれほど難しくはないが、物語の結末は読めないという良い例だったと思う。どんでん返しが数回起きるのもサスペンスチックで良い。終盤は謎解きがほぼ終わってちょっとサスペンス要素が薄く、アクション・アドベンチャー要素が強くなるが、ハラハラドキドキ感が継続するので全く問題ない。実際、50年代初頭の撮影技術としてはめちゃくちゃカッコいい救出劇で面白い。

そしてなにより、モンローのファム・ファタールぶりが凄く良い。こんな美女になら、自分の一生を賭して信じたり破滅しても悔いがないと思わせるほど、セクシーで魅力的である。本作で特に伝説として残る「モンローウォーク」のカットや、夫を苦しめるためにレコードをかける「キッス」の曲に合わせて悩まし気に歌う様は、撮影から70年近く経っても全く衰えていない。歌も演技も第一級だ。モンローがセクシャルなアイコンになったのはむべなるかなという感じがした。