midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

荒木飛呂彦の超偏愛!映画の掟」を読む。

面白かった。ジョジョの作者である荒木氏が、面白い映画がなぜ面白いかを語るもの。物語論でもあり、彼自身の創作の秘訣も同時に語られるため、ジョジョファンはもちろん作劇に興味のある人にも参考になると思う。ただ、超偏愛!のタイトル通り、ラインナップは結構偏りある。洋画メインで、邦画はほぼなし。けど、いかにも荒木氏的なチョイスでそれはそれで楽しめる。語り口も丁寧なんだけど変なテンションというか、「皆同じだと思うんだけど~」みたいな記述に全然共感できない部分があったりして、こういう人だからこそ「そこにしびれる!あこがれるぅ!」なんてぶっ飛んだセリフを思いつくんだろーなとか思う。

ざっくりとジャンル分けすると、語られる映画はサスペンスやアクション要素の強いものが多い。ただ、荒木氏いわく、ラブストーリーでもなんでも何か謎を持っているものはサスペンスであり、観客にその謎に対する求心力を持たせられるかどうかが面白さのカギになっている。あと、「男泣きできる」映画に弱いらしく、らしいなーと思う。本作に登場する映画の中で観てみたいなーと思うものもちらほらできたので、今度は実際に観てみようと思う。