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webエンジニアのメモ

 「自民党 価値とリスクのマトリクス」を読む。

自民党 価値とリスクのマトリクス

自民党 価値とリスクのマトリクス

 

 参院選の時に本作は話題になっていたし、著者のラジオもすごく興味深くて聞いていた。著者が、自民党首相候補の人達の著作やインタビューを基に価値やリスクを分析し、その立ち位置をマトリクスで表現したもの。内容はかなり易しめですごいさっくり読めた。

率直な感想としては、マトリクスにしてみると自民党ってホントに色んな人いるんだなーと思った。そして、改めて安倍が自分と最も価値観や政治的な志向が合わないなと思った。彼の価値観を引用、「私たちの自由など、さまざまな権利を担保するものは最終的には国家です。国家が存続するためには、時として身の危険を冒してでも、命を投げうってでも守ろうとする人がいない限り、国家は成り立ちません」というセリフとかマジで引く。そして似たような傾向にある菅も、官僚の人事権を握ってなるべく忖度させ抑圧するような政治に長けているらしく合わないなと感じた。

逆に、何となく気づいてはいたけど、石破さんは結構考えが近いんだなというのを再確認した。生活保護に対する現物支給の提案とかは意見合わないけど、なるべく小さい政府を志向し、政府が個人の行動や価値観に出しゃばらないという大まかな方針は一致している。その点では河野さんも同じだった。彼らはリベラリストという点で自分と呼応している。そして、著書やブログで積極的に意見を発信しているというのも、何かと密室や囲い込みで政治を勧めようとする安倍的な考えと違って良いと思う。特に、河野さんの「市場で競争して敗れたプレイヤーには、再び挑戦することが出来る機会を保障することが大切だ。そしてそもそも市場では公平に競争することができない弱者に対しては、市場メカニズムの外で安心を提供する仕組みが必要だ」という意見には100パーセント同意する。「外国人研修制度を現代の奴隷制として糾弾し、積極的な外国人受け入れ」をしていくべき、という意見にも完全同意。

他にも、小渕さんや野田さんはかなり立憲民主党的な価値観でそういうことを初めて知ったし、小泉新次郎が農協をぶっ壊そうとしているというのも初めて知っていい仕事なんじゃないかと思った。選挙権を取ってから基本自民党って大嫌いだったんだけど、色んな人がいて悪いのは安倍周辺とか安倍チルドレンなんだなと観直すきっかけとなった。