- 作者: 森達也
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2005/03/01
- メディア: 単行本
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まあこの人の考えるドキュメンタリーを作るものの認識はほとんど俺も同感なので新たに得たものはあまりなかった。ドキュメンタリーの名作をいくつか知れたことくらいだろうか。ただこの程度のことを言うにはちょっと長い気もするし(その辺が彼の言う常に逡巡しながら撮りたいっていう意識の現われなんかもしれないが)自分史みたいな部分はあんま読んでてもしょうがないかなと思う。ただ、結構俺は自分の直感ていうのも信じられない部分がまだあって、客観的な神の視座から認識することはもちろん出来ないけど自分の視座にも結構疑問は持ってる。フーコー的な生権力によって生かされてる部分ってのも実感としてあるし、確固たる足場はない(よく分からんけどニヒリズムってこういうことを言うの?)って言うのが正直なところかな。つかみようのない社会を何とか制御しなきゃ生きていけないけれども、常にとりあえずの状態で生きざるを得ない。以前は「A」の本も読んだけどもう彼の本は読まないでも生きていけるかもしんないね。
- 作者: 佐藤亜紀
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/01
- メディア: 文庫
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ネットの書評とかにもあるように時世的な部分の描写があまり無いので読みにくい。割と集中して呼んでたんだけど目まぐるしく動く物語の途中でジェルジュは何がしたいのかわかんなくなってしまった。キャラの名前とかもあれ?こいつって誰だっけ?みたいになるし。充分に楽しむには第一次世界大戦史について結構な理解度を求められる。ただ、文体は結構好き。特に「感覚」に関する緻密な描写はとても読んでて気持ちがいい。ハンターハンターの念能力を思い出した。張り詰めた空気に広がる感覚の膜とか相手との攻防とかね。サスペンス的な謎が解けていく楽しさは状況が把握できてないと出来ないと思うけど何が分からないのか分からないまま読んでしまったのでいまいち消化不良。読書力が足りないのかなー。
- 作者: 幸村誠
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/06/23
- メディア: コミック
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これってホントにワンピースより「大人向け」かぁ?歴史考証がされてる以外あんま変わらない気がするんだけど。ちょっと拍子抜けするくらい主人公は「少年漫画の主人公」してるし(短剣二つ持つビジュアルは確かに受けるだろうけどせっかくだからもっと資料に基づいた海賊っぽそうな無骨な武器使って欲しいな)、父親を殺した残虐なキャラが実は凄い血を引いていて…みたいなのも悪い意味で期待を裏切らない。まだ連載中だけどプラネテスの方が面白いと思うなーこのままだと。あっちはかなりSF的な設定が面白かったし主人公の内面描写と成長する描写が濃密だったけど、本作はどんな部分でも既視感がぬぐえない。ちょっと残念。