midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「戦争は女の顔をしていない」を読む。

「同志少女よ、敵を撃て」でも参考にしていたという本作の漫画を見つけたので読んでみた。

timit.hatenablog.com

様々な立場で語られる戦争体験のエピソードが想定していた通りヘビーな内容。身近な人が目の前で殺されたり、殺したり、多くの仲間がいた中で1人だけ生き残ったり、戦争後も辛い生き方を強いられたり、PTSDのような形で死ぬまでその影響から逃れることが出来ない。可愛らしい絵柄であまりにグロい表現はないのだが、画面全体的にトーンが薄くて掠れたような線なのでどことなく悲しさや侘しさが漂う。バンドデシネとかの読者は本作を読んでどんな印象を受けるだろうか?

本当に自分が今どれだけ自由に生きていけてるかを噛み締めることができる。歴史上、自分の住む場所、職業、信仰、家族形成や表現など自分の意思で決められることなんて本当に限られていて、現代ももちろん戦争は起きているし色々な問題は山積みだけど自分自身は「数年後に生きていられるかわからない」というような心境で人生を運営していないので、平和ボケしてるよなと感じる。本作に登場する彼女たちのように「実体験」でない以上は常に戦争をそばに置きつつ生きていくことは出来ないし必要もないとは思うが、きちんと考えながら生きていきたいとは思う。