midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「ぽんこさんの暮らしのはてな?」を読む。

タイトル通り、すごく身近な生活のtipsをマンガ形式で紹介するというもの。舞台は現代の日本だけど、下町っぽいというか近所付き合いや交流が盛んで、その中でお役立ち情報をシェアするみたいな感じの内容。

すごくほのぼのしていて読後感も良いのだが、もっと漫画や物語としての奥深さがあると引き込まれたかなと思う。本書の主人公であるタヌキのぽんこさんも、どういう社会制度の中で人間社会の中で、差別や偏見に遭うこともなく人権に基づいたような社会生活が送れているのかが分からず不自然に読めてしまった。日本語を喋り、日本円で経済生活や研究活動を送っているタヌキという設定なのだが、「水垢を落とすにはどんな洗剤がいいの?」的なすごく普通の課題解決しか出来てなかったのが不自然というかシュールというかSF好きからすると「解決する課題はそこ?」という感じだった。可愛らしい絵柄も雰囲気もいいんだけど、シンプルな生活の実用書としては若干物足りない感じもするし、バランス感覚が難しい本だと思う。