midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「プリンス録音術」を読む。

数年前に出版されたのは知ってたけど何となく読んでいなかったのだが、急に思い出して読んでみた。プリンスの幼少時代の音楽との出会いからデビュー、90年代前半までのアルバムのレコーディング風景や使っていた機材・楽器、曲作りなどに関するエピソードを当時のエンジニアや関係者が振り返って語るという内容。この当時であればレコード会社との関係性だったり映画と音楽の関係だったりライブのパフォーマンスなど色んな切り口でプリンスの活動を語ることも出来るが、あくまでペイズリーパークでの様子やレコーディング中の話に絞っており濃い話を聞ける。現在のPC中心のレコーディングではなくアナログ機材の話だが当時最先端の機材をどんな風に使っていたかの話もたくさんあるのでレコーディングエンジニアが読んでも楽しめる内容となっていると思う。

個人的にはよく知っている曲たちが生まれる裏話を知れて面白かった。レコーディング中毒すぎて周囲の人たちがついていけない、みたいな知ってるエピソードもそれなりに出てくるのだが、やはり天才的なエピソードが次々に出てきてプリンス凄すぎるという話ばかりでほっこりする。エンジニアは基本プリンスのアシスタント的な立場で、「録りたい時に録りたい状態でセッティングしておく」のが仕事みたいな感じでほんとに曲作りに関する全ての工程を完璧に制御するプリンスの姿がひたすらすごくカッコ良かった。新しい機材、新しいミュージシャンとの出会いにも柔軟で、音楽を作ることが本当に生きることだったんだなと教訓になった。