midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「クレール」を読む。

面白かった。主人公が同年代で、仕事はやりがいあって楽しいし本音で話せる友人にも恵まれてるけど、いまいち恋愛面でパッとしないなど共通点が多くて笑える場所も多かった。増田ミリさんの作風に近い感じ。絵柄はシンプルで可愛らしく、生活の中の小さな感情の機微を掬い取って表現するのがとても上手い。付き合い始めた男性に対する些細なズレや違和感を、家の中にあるちょっと邪魔な壁についた棚になぞらえたのは見事。二人以上で生活したり何かをする時に、なんとなく不便だし嫌だけど耐えなければいけないラインの見極めは難しいし、友人同士の会話もその辺みんなどうしてるの?という確認が多くて身に染みた。

一点、悲しいのはタイトルの「パリの女の子」という表現。30代の女性を「女の子」として表現するのは日本向けだとその方が売れやすいと判断したのだろうか。悩める一人の人間を未熟な子供扱いしている感じがして残念なタイトルだと思った。