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webエンジニアのメモ

「ニッポンの編曲家」を読む。

ニッポンの編曲家 歌謡曲/ニューミュージック時代を支えたアレンジャーたち

ニッポンの編曲家 歌謡曲/ニューミュージック時代を支えたアレンジャーたち

 

 編曲家というあまり日の当たらない職業が絶滅危惧種になっている昨今、当事者たちも高齢化しつつある現在のうちに彼らの直接の声をインタビューでまとめ、彼らの膨大な仕事ぶりをアーカイブとしても残すという資料的にとても意義のある一冊。ディスクユニオンブックスの良い仕事。主に70,80年代にかけてが全盛期だった人たちが多く、名前を知ってる人はほとんど登場しないのだが、楽しめた。スタジオでミュージシャンにある程度フィーリングで任せて、組み合わせながら作る感覚的な人から、かっちりパート譜を書いて全体像を見据えた状態で録音していく理論的な人みたいな手法の違いもためになるし、単純な音楽制作のプロセスだけでなく、スタジオミュージシャン、仮歌ボーカリストやエンジニアなど様々な立場の人が語る当時のバブリーなギョーカイ話とかも面白い。インペグ屋とかいう日本独自のシステムとか、「昔のアイドル」みたいな印象しかなかった野口五郎がギタリストとしてめちゃ活動しているとかいう情報も知れてトリビアの連続。