midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

 「マイ・インターン」を観る。

マイ・インターン(字幕版)

マイ・インターン(字幕版)

  • 発売日: 2016/01/13
  • メディア: Prime Video
 

 めちゃ良かった。「全く属性の違う二人の人間が出会って影響しあう」系のエンタメ映画として理想形な感じ。性別だったり年齢だったり経歴だったり、色々と違う要素はあるが、要するにバディムービーと言っても良いかもしれない。何しろ、主人公の二人どちらにも観客として共感できるし、分かりやすい悪役も出てこなく、みんな生きるのに一生懸命な姿を拝めるのだ。筋書としては、30代のファッション系ネットビジネスを手掛ける創業者が、法令順守的な観点からシニアインターンとして70歳の元印刷業界の部長を雇ったことから始まるお互いの成長物語を描く。

物語が終始一貫して、コメディ的なあり得ない展開にならないのが本作の最大のポイントだと思う。コメディタッチで、実際にクスッと笑える箇所はあるんだけど、荒唐無稽ではないと感じられる作りになっている。インターン生が誤爆したメールを削除するエピソードとかは最たるものだけど、作品内で濃い目の味付けとして楽しめる。リアリティの点で比較すると、「笑わせること」にフォーカスしたgoogleインターンした「インターンシップ」よりもはるかにリアルな作りとなっている。

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 舞台は2015年のブルックリン、古い工場をリノベーションして新興のネットファッションが賃貸するという物語の土台となるような例は実際に何件もあるんじゃないかと思うし、70歳で妻に先立たれた男がヨガにはまったり、ファッション系のお洒落なオフィス風景だったり、創業者の代わりに外部CEOを入れるかどうかとか悩んだりとか全て凄くリアルに見えた。この世界観を壊さず、主人公二人が相互に影響を与え合う姿に観客としてすごく二人を好きになれるのが良いのだ。

主人公二人は双方、お互いに対して強い言葉を発さない。「私が正しくてお前は間違っている。」という主張にならないのだ。お互いを認め合い尊重し、お互いにとって良い人生を過ごすための選択肢を検討できるのだ。逆に言うと一歩的な「教育・洗脳」的な要素が皆無なので、人によってはモヤモヤするかもしれないが、めちゃくちゃオトナの映画とも言えるかもしれない。