midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

 「ウインド・リバー」を観る。

ウインド・リバー [Blu-ray]

ウインド・リバー [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2018/12/04
  • メディア: Blu-ray
 

 重くて渋くていい映画だった!ワイオミング州ネイティブアメリカンの保留地を舞台に、アメリカの広大な大自然の中で行われる陰鬱な人間のやり取りを描いた作品で、相変わらずこういうの大好き。主人公は地元の凄腕ハンターなんだが、タフでぶっきら棒で優しくて影のあって何より強いという感じ、本当に最高。アメリカの歴史をきちんと学び直すという意味でもためになる作品で、本作で描かれるような少女の死がネイティブアメリカンの保留地では多発しているのに記録として残されない、無法地帯のような現状が広がってしまっているという。冷え込むとマイナス40度にもなり、走ると肺が凍傷を起こして死んでしまうという極地にネイティブアメリカンを追いやった一方で、ネイティブアメリカンアメリカナイズしてしまい自身の文化的な背景を失ってしまいつつある悲しい現状を背景として物語を形作っており、声高に訴えるのと違う物悲しい雰囲気が全体を覆っており、上手い。事件が紐解かれ、回想シーンに入る瞬間の鮮やかな演出も上手く、緊迫感をずっと楽しむことが出来た。秀作。