midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

レディ・バード」を観る。

 爽やか青春映画だった。カリフォルニア州サクラメントで進路とか友達とか恋人とか家族とか色々悩む女子高生がちょっと成長するというお話。監督の自伝要素のせいか2002年という舞台設定であり、劇中でかかるjustin timberlakeの曲とか懐かしい。

本作のポイントとしては、分かりやすい悪者が誰もいなく、物語を駆動させる力がある設定があまりクローズアップされないこと。主人公と付き合うことになる男子たちは多少問題があるものの根っからの悪人として描かれているわけではなく、なんとなく主人公とすれ違って関係性が終わっていく。金持ちでイケてる友人や対照的に成績優秀だけどちょっとイケてない友人との関係にしても、それぞれが長所・短所があって、多少関係がギクシャクはするものの大きな事件になったりはしない。なにより、家族にメキシコ系の移民かと思った血の繋がっていない主人公の兄(実際は養子)がいるのだが、多少人種差別的なジョークが出るものの主人公との関係は思春期特有でいがみ合ってる、どこにでもいそうな兄妹という関係でしかなく、物語中でもあまり注目されない。主人公が息苦しく感じているカトリック系の校則や田舎の雰囲気とかも、特に社会的問題を声高に提示するみたいなことなく、主人公が生きる生活の背景としてしか機能していない。こんな具合に、様々な要素が普通に日常として描かれており、色んな設定を肩透かしにしながら青春の一日を切り取るような感じは映画「リンダリンダリンダ」みたいだと思った。