「私が、生きる肌」を観る。
何かでこの映画のビジュアルを観てめちゃくちゃ気になっていたのだが、ようやく観れた。「ボルベール」が最高に良かったペドロ・アルモドバル監督の2011年の作品。成功した医師と、医師に監禁された女性の奇妙な関係を描くサスペンス。アントニオ・バンデラスもねっとり怪しい雰囲気でいい仕事してる。全体的にヨーロッパ映画的な均整の取れた画面構成とフィルムの質感や色使いが美しい。クラシカルな音楽も相まって格調高い映画に仕上がっている。どことなくハネケ感ある。
時間軸としては最初に現代にてある事件が起き、そこから回想シーンで少しずつ現代に至るまでの経緯を描き出す構成でネタバレ厳禁な作品なのだが、回想シーンでも途中まで点と点が結びつかずに不思議に思っていたら、「え？マジで！？よりによってそんなことする？」みたいな驚きの展開が待っている。その発想はなかったというか。一回ネタバレすると後は結構順当な展開なのだが、気色悪さと美しさが同居した変な余韻で最後まで楽しむことが出来る。習作。
