midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

 「シンドラーのリスト」を観る。

 スピルバーグの最高傑作的な誉も高い本作。モノクロで目を背けたくなるような残虐な場面を走り回るジャケにも映る赤い服を着た女の子のような絵作りや演出、戦争の中で生きる人間の思考の変化など全編緊張感持って観ることが出来、確かに名作だと思った。シンドラー役はリーアム・ニーソン。ラストの場面ではシンドラーに救われた人々と家族の姿が鮮やかなカラーで映し出され、どれだけの偉業を成し遂げたのかと感嘆出来る。

個人としてのシンドラーがどういう性格の人なのか知らなかったけど、元々やり手のビジネスマンで、ユダヤ人を雇用していたのも単純に賃金が安かったからというのは非常にリアルで面白かった。なんとなく博愛の人のようなイメージを勝手に持っていて、序盤の割と不遜な雰囲気のリーアム・ニーソンを観て意外に感じたんだけど、実際にそんな感じだったらしい。彼の実際の妻もこの映画について、シンドラーを美化し過ぎと言ってるようだし。割とプレイボーイで遊び好きで笑った。

ただ、決して人の弱みに付け込んでこき使うブラック企業経営者だったわけではなく、戦争が進むにつれて急に強制的に徴収されるなど苦しい立場に陥っていくユダヤ人たちを政府高官に賄賂を送ったり、私財を投じても必死で守っていくように行動規範が変化していき、戦争が終わった頃には会社も立ち行かず無一文になっていたというのも興味深かった。何より、彼がユダヤ人の文化を重んじて、安息日に休めるような仕組みを取り入れたり、ラビに敬意を表したりと人として尊重する行動を取っていたのは単純に観ていて気持ち良く、自分もかくありたいと心から思えた。

転職活動中というマインドも影響してか人間が生きてるうちにやれることなんてホントに限られてると思う昨今だけど、周囲の反対を押し切ってでも自分が誇れることにリソースを費やして悔いのない生き方をしたいものだ。