midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「魔王 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男」を読む。

魔王: 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男

魔王: 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男

 

  読んでても、にわかに信じがたいレベルで凄まじい犯罪・暴力描写。自分がのほほんと日本で生きてる間に、こんな映画でしか見たことないどぎつい犯罪帝国が築かれていたというのに驚くし、一般的に言って世界にこの犯罪国家とポール・コールダー・ル・ルーという男がほとんど知られていないのが怖い。南アフリカ出身で、高校を中退してプログラミングの腕のみでヨーロッパでのし上がり、トゥルークリプトという暗号化ソフトの開発に携わり、非合法すれすれの薬局ビジネスで個人資産数百憶を得る。世界中にまたがる従業員数千人に渡る事業を、ほとんど権限移譲することもなくたった一人で、一代で築き上げた恐るべき才能。方向が違えばGAFAの一角にすらなり得たのではと思えるほどだ。犯罪ルポものを読むのはここ数年趣味になりつつあるが、別格の規模と内容の凄惨さ。