midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

  「ラーメンヘッズ」を観る。

ラーメンヘッズ [DVD]

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 なんか、モヤモヤが残るドキュメンタリーだった。ラーメン業界あるあるな気がするけど、料理に対するアプローチが科学的じゃないんだよなー。本作の主役、ラーメン「とみ田」の富田氏は終始にこやかでラーメンに対して情熱を持ってることは伝わる。調理風景も普通にカメラに映り、「隠すことなんてない」と笑顔で語る姿は、今は亡き佐野実みたいな変に宗教的な頑固さもない。仕事ぶりは凄く丁寧だし、実際ラーメンも美味そう。けど、心酔する弟子たちやラヲタに囲まれた閉鎖的な環境でのお山の大将感はどうしても拭えないんだよな…。料理ってすごい科学の結晶だと思うんだけど、どうも勘と経験で料理作ってる感じがあるというか。新作のラーメン作りの風景とかも、「こういう一杯を作りたい」という味のゴールに向かって材料や調理方法を試行錯誤するという感じじゃなく、とりあえず手に入った高級素材を使って勘と経験に任せて作っていたらいい感じにうまいラーメンができました、という感じだし。味の組み立て方を計算できていない感じで、それを変にアーティストっぽい体で煙に巻かれてる感じがする。富田氏ではないんだけど、本作で「なんでかわからないけどこのやり方だとうまくなる」みたいな持論を唱える店主がいるんだけど、要は料理人としてのスキルが低いんだと思うんだよね。技術がある料理人だったら、「こう作れば不味い料理が作れる」というパターンも知っていて、ある意味狙った不味さすら表現可能だと思うんだよね。もっと味を構成する成分とか味覚に関する研究をしてる人の方が個人的には信頼できるよな、と改めて思った。