「キーワードで読み解く人工知能」を読む。
キーワードで読み解く人工知能 『AIの遺電子』から見える未来の世界
- 作者: 松尾公也,松本健太郎
- 出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション(MdN)
- 発売日: 2018/07/17
- メディア: Kindle版
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タイトル通り、「AIの遺電子」というSFマンガで描かれる近未来で利用されている人口知能を応用した技術をネタにしつつ人工知能の現在や今後について語るというもの。ひとつひとつの章が細切れでそこまで深い考察はないんだけど、軽い読み物として楽しめる。「AIの遺電子」は雑誌をパラパラめくってる時に読んだことあって面白そうな感じはしてたけど、何かブラックジャックの二番煎じみたいな感じがして読んでなかった。ちゃんと読んでみようという気にはなった。
本書で出てきた気になるワードをいくつか。
・白黒映画のカラー化ビジネス
ディープラーニングで自動彩色するというもので、結構需要もあって盛り上がる気配があるらしい。確かに最近、ホントにこの手の技術の伸びがすごい気がする。普通の風景写真をゴッホとか印象派っぽいタッチにしたり人の顔をアニメ顔にするアプリ出てきてたし。
・チューリングテストで自我の確認が出来る
自我や人格を宿したとする、ひとつの基準になるかもね。
・心を持つペット、ケアロボット、モノとして扱われる産業AI
「AIBOの死はオーナーたちが合同葬をしたり検体として生きているAIBOの部品となったり、ロボットの死を社会が知る機会となった。」けど、産業AIは不具合が見つかれば直すか捨てられるかする儚いもの。人間っぽい形や動物っぽい形のものに対しる人間の共感力の強さってホントに面白い。だからこそ虫や昆虫が気味悪いものとして嫌われたりするんだろうけど。
・音声合成の分野では、「怒りを20%乗せた声」などの感情を乗せる機能が実装がされてきている。
Siriみたいなサービスは今後よりパーソナライズされて、友達・家族感覚で会話できるように発展していくんだろうな。「her/世界にたった一人の彼女」みたいな。
・特定の服装をした人のみを標的とする人口知能を持った自立型兵器
ターミネーターの現実版。そこまでいかなくても、実際もう現実にドローンに特定の服装をした人のみを標的として爆撃するような兵器は出来てるっぽいし、効率的に人を殺す道具の発展は留まることを知らんというか。