midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

 「ホモ・デウス」下巻を読む。

ホモ・デウス 下: テクノロジーとサピエンスの未来

ホモ・デウス 下: テクノロジーとサピエンスの未来

 

 上巻に引き続き、響いた言葉を列挙。

・信用に基づく経済がなかった頃は、経済が「成長する」という概念がなかったので、子孫や自分が豊かになると思っていなかった。経済は限られたパイを分けるということだった。

・チスイコウモリは血を貸し借りする。ただ、人間のように利息を課すことはない。勿論、血液市場の成長を信じることもない。

・経済を成長させることは政治家にとっても最も重い仕事となっている。

・宗教によって強欲は抑える対象であり悪とみなされていたが、経済成長のために欲が肯定されるようになった。実際、成長によって大概の問題は解決されてきた。

・かつては聖書や戒律に従うことが求められてきたが、人間至上主義という、自分の心の声に耳を傾け、従い、心地よいと思うことをする考えが肯定される。だから、神を感じ、信じたければ信じていいし、ある日急に信じることが出来なくなったら、信じるのをやめればいい。

・中世ヨーロッパにおいても、芸術は神の指示に従うものであった。創作者の功績ではなく、媒介者という位置づけ。

・歴史的に言っても、数にはあまり意味がない。何億もの人が信仰を持ち続けたとしても、シリコンバレーで生まれるテクノロジーによって世界が作り替えられいく。一万年前、ほとんどの人は狩猟採集民だったが、極一部の農耕民が未来を作っていった。

・信仰の現場から世界を作り替えるような大きな動きは出てきていない。かつては資本主義や経済の仕組みを作る機能を持っていたが、現在ではどちらかというと、科学やテクノロジーをどうかつての聖書や戒律で解釈するかという後手に回っている。

・自由意志や自己の定義が揺らぎつつある。行動経済学とかの知見によって。選挙とかの民主主義的な個人の意志決定も有用性が疑われつつある。AIに任せた方が良い?

・ロボットによる調剤薬局が出来た。膨大なデータを基に、絶対に副作用やアレルギーのある調合ミスをしない。

・EMIという音楽制作プログラムは、ショパン風の曲とか色んな作曲家っぽい曲を無尽蔵に作れる。

・人間は可視光線スペクトルの極一部しか知覚できないが、他の動物たちは全く違った形で知覚している。彼らの知覚は参考になるかもしれない。