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webエンジニアのメモ

 「これからの投資の思考法」を読む。

元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法

元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法

 

 個人的にもユーザーである、ウェルスナビ(ロボアドバイザー)のCEOの著書。「長期・積立・分散」の大切さを何度も説くという内容で、行動経済学からも人間よりAI使って運用する方が合理的だよね、と最終的にはウェルスナビの宣伝となる。めちゃ初心者向けに易しく書かれててあんま学びはなかったんだけど、例によって面白かった場所を抜粋する。

・「かつてナポレオンが旗下の将軍を登用するとき、幸運に恵まれているかどうかを基準にした」投資家や資産運用会社の「功績」がただの幸運によるもので、再現不可能だったりしませんか?ということ。

・日本だとFXやってる人は結構多いけど、「欧米だと為替取引は投資銀行機関投資家のトレーダーが行うものとされており、個人投資家が行うケースは稀」そうなんだという納得感。やっぱ為替を個人で扱うのは難しいと思う。ちなみに欧米では日本のFX投資家をまとめて「ミセス・ワタナベ」なんて呼んでるらしい。

・日本だとここ2、30年経済成長がないので、国内だけで「長期・積立・分散」という運用方針にうま味がなかったのは事実。

・「効率的フロンティア」という曲線に合わせて自分のポートフォリオを組み立てる。もっと攻めの資産運用していかなきゃな。

・プライベートバンカーは意外と顧客とポートフォリオの相談をしない。それより事業承継とか子孫の教育の相談に乗ることが多い。資産を代々守る、というスケールの大きい仕事。

・ウェルスナビは「ロボアドバイザー」であり「AIアドバイザー」ではない。データ処理の仕組みを自ら学習・改善することは今のところ出来ていないが、ゆくゆくはしていきたい。

・ウェルスナビはホワイトペーパーでアルゴリズムを公表しているが、本書でも軽く紹介している。この辺のOSSな考え方はとても共感できる。

・「フィデューシャリー・デューティー」医者や弁護士など、顧客との圧倒的な情報格差を基に商売する人達は高い倫理感が必要となるが、AIによる資産運用についてもこの考え方に則って運用していかなければならない。