midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

パーフェクトワールド」を観る。

面白かった。けど、ちょっとラストが冗長かな。60年代のアメリカを舞台に、恵まれない家庭に育って犯罪を犯し、刑務所を脱獄した男がひょんなことから厳格なエホバの証人の家庭に育ち、父親もおらず疎外感を感じている8歳の孤独な少年を人質にしてアメリカの田舎町を逃避行するという話。イーストウッド監督の不器用な人間に対する優しさがにじみ出た感じのクライムロードムービー。主演はケビン・コスナーで、イーストウッド自身も警官役で出演している。

逃避行自体はかなり杜撰で突っ込みどころはたくさんあるんだが、計画性のなさが逆にリアルな感じもする。見どころは、不器用な親子のような二人が何気なく過ごす車中のやりとり。食パンにマスタード塗って二人で食べたりとか、パクった車の中で寝たりする場面とか、少しずつ距離が縮まっていく感じが愛おしい。ラストシーンが冒頭に流れるんで結末は分かってるんだけど、その切ない場面に至るまでの時間と感じるとより切なくなる。

ただ、コメディ要素としてイーストウッド演じる警官や社会学者たちのヘッポコ追跡道中(ルパンの銭型警部的な)の描写が結構あるんだけど、あんまり物語に上手く機能していないような気はした。