midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「宇宙・肉体・悪魔」を読む。

先日読んだ「SF超入門」でも取り上げられてた本書。100ページちょっとという小論ということもあって手軽に読んでみた。確かに凄い。とても1929年というインターネット以前、というか第二次世界大戦前に書かれたとは思えないほど今読んでも古びていないほど未来を予見しているし、著者が27歳で書いたというのもぶったまげる。

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扉絵が著者の提案したバナール球のイラストになっているが、宇宙世紀ガンダムの世界観はガッツリ参考にしているし、人体を機械的に拡張し、機能的に共用できる部分は共用するみたいな群体頭脳みたいな予見も攻殻機動隊とかSFの世界でみっちり受け継がれているし、現実的にもどんどん社会実装が進んでいる分野でもある。

著者は生物・物理学を専門としていて研究者としても成果を上げていることはもちろん、社会学、心理学、政治学など社会科学に対する知見も総動員して人類の今後の未来について予見していることがやはり凄い。知的エリートとしての自覚や傲慢もあったのかもしれないが、結構辛辣に肉体的な幸せを求める動物的な人類を分析しているのも科学者っぽくて面白いし、誰もがオープンに利用可能なwebサービスを提供して社会を変えようとするwebエンジニアとしての自分も共感できた。

ユヴァル・ノア・ハラリのサピエンス全史を読んだ人に読んでみて欲しい一冊。