midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の上巻を読む。

まだ上巻までしか読んでないのでちゃんとした評価は出来ないが、前評判通りめちゃくちゃ面白い。これも一気読みしてしまった。

内容は地球滅亡を阻止するために宇宙に飛び出した主人公のファーストコンタクトSF、という感じでめちゃくちゃメジャーな物語なのだが、下手したら起こり得るかもという感じの緻密なSF的な考証と、やたらポジティブで砕けた文体が特徴。著者の前作である「火星の人」の映画版「オデッセイ」も楽しんだが、多分主人公の性格が似てるんだろうなという感じ。豊富な専門知識は持っているのだが、絶望的な状況でもあっけらかんとしていて冗談を言ったり、本作の重要な要素であるアストロファージという地球外生命に対してマンガのあだ名をつけて呼びかけながら実験してたりして、どこにでも居そうなアメリカ人の兄ちゃんという感じなのでエモい。

やはり自分の中の読書記録としては同じファーストコンタクトものという括りで「三体」と比較してしまうのだが、三体のシリアスで読後に自分の世界観が変わるほど壮大な世界観と比較すると全く本作は違っていて、良い意味で人間臭さが溢れている。上巻を読んだだけだが、宇宙人もいい奴っぽくてコミュニケーションの糸口を見つけ出して意気投合してしまったり「いやいやあり得ないだろ」とツッコミを入れたくもなるのだが、決してご都合主義的でなくそれなりに納得感のある状況の説明があるのでスルスルと読める。

とりあえず下巻を早く読む。