midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

 「低度外国人材」を読む。

 こちらの舞台は日本。日本に技能実習生としてやってきたり事情があって難民や不法移民となってしまったようなマージナルな外国人たちにスポットを当てたルポ。

技能実習生である当事者を始め、送り出す機関、日本国内で実際に働く中小企業、監理団体など、すべての関係者が皆部分的にろくでもない側面があるということが良くわかった。勿論理想を掲げて真面目に頑張っている関係者も多くいるのだが、利権もあるし何かしら甘い汁を吸ってやろうという輩が住み着いていることも間違いない。日本で可哀想、助けるべき対象として語られがちな技能実習生でさえ、あまりに軽率で学ぶ意欲のない、一見すると嫌な人間がたくさんいるというのも現実のようだ。「東アジア全体で合成の誤謬を作りだしている」という本書の分析が鋭い。移民の受け入れに寛容な考えを持っていた著者ですら、彼らと接するうちに、知らず知らず嫌だなという感触を得てしまうほどらしい。

とは言え、日本の現状を知る上ではとても示唆的で学びのある本だった。