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webエンジニアのメモ

 「いらない保険」を読む。

いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」 (講談社+α新書)

いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」 (講談社+α新書)

 

 巷で売られてる保険の大半がムダ、という意識は資産運用とか投資系のコンテンツでよく目にしていたので何となくは知っていたし、実際に超少額の掛け捨て保険しか入っていなかったのだが、なぜなのか仕組みをよく分かっていない部分があったので改めて整理してみたいと思って読んでみた。最終章には入っても大丈夫そうなお勧め保険をあげていたりして、今保険に入るべきか迷っている人にも勧められる一冊となっている。

一言で言うと、「不安に煽られて変な保険に手あたり次第入るんじゃなく、健康保険などの公的な保障制度を理解し、実際の保険事故に自分のお金だけで対応できない事故(数億になる可能性がある賠償責任など)に対してのみ、必要最小限加入する」ということ。大病になったからって健康保険で大部分は対応できるということを、実際の治療費や入院日数などから割り出して説明される。保険のプロはやたらと不安を煽って色んな保険を買わせるインセンティブがあるが、結局自分たちが売ってる保険に加入してるわけではないのだ。

その中でも学びだったのは「保険は約款に書いてあることにしか対応できないが、社会や医療技術はどんどん変わっていく」ということ。実際に保険が適用される可能性の高い30年後の医療技術では今の保険では対応できない、というケースはかなり考えられるということだ。ロボット手術も今後は増えていくだろうが、終身医療保険が対応できるかは心もとない。また、介護保険に入って動けなくなるリスクより、パワードスーツ(HALという製品があるらしい)の開発が進んで日常生活をテクノロジーで楽にできる可能性の方が高いかもしれない。平均寿命もどんどん延びていっている現在、無駄金を費やすことになってしまう。50万100万を保険に払うよりも、預金など保険事故以外にも自由に使える金として持っておく方がよっぽど大事だし、100万払って給付されるのが70万の可能性だってある。何しろ、保険料100万を全部保険事故に使っていたら保険会社がやっていけないのだから。アクチュアリーによると、3割は経費として必要になるとのこと。