midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

 「アレクサンドロス 世界帝国への夢」を読む。

 最近好きでよく聞いているポッドキャストに「コテンラジオ」という番組がある。


アレクサンドロス大王 ― 人の夢は終わらねぇ!英雄列伝!【COTEN RADIO #63】

同年代の歴史好きの方々が運営しているラジオで、その道で生きている研究者ではないにしろ、特定の歴史上の人物に対して、かなり様々な関連書籍を読みこんでいると思われる博識でもって数回にわたって語り下ろすという内容となっており、通勤の間聴くといい具合に楽しいのだ。

んで、最新シリーズがこのアレキサンダー大王となっており、ちょうど図書館で本書を手にしたので気になって読んでみた。流石の安彦氏の構成力・画力により33年という短い生涯を一本の映画を観るような密度で楽しめた。学生時代からの世界史好きとして、アレキサンダー大王の偉業は「田舎もんのヨーロッパ人が当時最強のペルシャを治めた」位でざっくりと知ってはいたのだが、どんなキャラなのかとかは知らなかったので、単なる情報がいい具合に肉付けされる感じ。ある種神がかって戦争に強かったというのも改めて理解したし、エジプトのファラオでもあったとか、後々のハンニバルとかナポレオンとか戦争の天才たちがこぞって英雄視し、兵法が今でも教科書として取り上げられるなどトリビアも随分増えたのだが、もっと人間臭い部分が知れて安心したというか。

子どもの頃からの友人が同性愛的に好きで贔屓しちゃったりとか、泥酔して悪ノリして大事なペルセポリスの宮殿を焼いちゃったりとか、意外と小柄でペルシャを治めた時に、ペルシャ王ダレイオスの玉座に座っても足が届かなかったとか、割かし勇猛な少年ジャンプの主人公的な感じなんだなーと。歴史的にはそれが誰も到達できない最強クラスだったので間違いなく英雄なのだが。