「80's洋楽読本」を読む。
音楽聴いて酒飲みながらダラダラと楽しめそうな本を読みたくて読んだ。内容的には予想通りだった。80年代のキラキラした、華美な音楽について日本での受容の仕方を論じた本。ラジオや雑誌など音楽メディア側にいた人と、実際のアーティストたちが当時を振り返って思い出話するというもの。
石野卓球や西寺郷太、zeebra、松武秀樹辺りのアーティストの思い出は他メディアでも触れていて何となくは知っていたけど、メディア側の人の証言は多少なりとも当時のマーケットを振り返る内容となっており、現在の音楽需要との違いに初めて知ることも多かった。MTVが流行ったとか、80年代後半からCDが本格的に普及してきたとかの話はいくらでも知ってたけど、MTVを上映するだけの映画館(?)のようなものがあったらしい。ファン達はそこで交流していたとか。あと、FMチェックが異様に流行ったとか、ニルヴァーナとかのグランジのヒットが「ロッキンオン」からするとメタルすぎるし、「バーン」からするとパンクすぎるという感じとか。「ロッキンオン」と「ミュージックマガジン」の確執とか、「ミュージック・ライフ」をアイドル路線すぎとディスってたりとか、今では考えられない位雑誌メディアが勃興している感じ。
また、アメリカ本国ではカレッジチャートが逆にローカルのミュージックシーンを支えていた的な話も出てきて、アメリカってこういう要素強いよなぁと改めて思った。デトロイトのエレクトフォファイン・モジョみたいなね。
音楽的な要素の話もちょっとあって、ゲート・リバーブを多用した当時の音作りとか、松武秀樹による当時のシンセ使いの解説とか、UKパンクと共に発展したレゲエやダブの話なんかも面白かった。
あと、最近閉店することが話題になった神保町のjanisに当時通っていたミュージシャンがいたりして、親近感湧いたりした。