midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「アングラマネー」を読む。

去年から引き続き経済知識欲が旺盛なため読んでみた一冊。アメリカ、イギリス、スイス、イタリアその他のタックスヘイブンを軸に、それらを利用する富裕層やマフィアの経済活動をあぶりだした一冊。イギリスだったらシティグループ、イタリアだったらバチカンみたいな感じで各国ごとにスキームが異なるので、それらがどのような経緯でどんな人間に利用されているかを詳細に分析している。最終章ではちょっとビットコインとか仮想通貨にも触れており、規制がきつくなる現在ではアングラマネーはこっちに還元していく流れらしい。そういや映画「dope」でも悪いおじさんがビットコインを隠れ蓑にしてたりしてたなぁなんて思いつつ。誰もが知る大企業や聖職者、政治の上層部もしれっとこういうスキームを利用しており、国から舐められがちなしがないサラリーマンとしてはやはり「偉い人間と悪い人間はニアリーイコールだなぁ」なんて凡人ぽい感想を抱くんだが、基本的には税金なんて国に納めたくないし、自由に生きていきたいというのが正直なところなのだ。著者の主張としては税金は取りすぎもなさすぎも良くない、バランスが大事なんだという主張でそれはそうなんだけど、何しろ上記のように金持ってる社会の上層部が進んで節税してるからなんともやるせない。ほんとの愛国者なら国債買ったり税金を惜しげもなく納めるべきだけど。