midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

松尾潔のメロウな季節」を読む。

松尾潔のメロウな季節 (Rhythm & Business)

松尾潔のメロウな季節 (Rhythm & Business)

今年一番聴いた音楽ジャンルはR&Bだろう。新譜だとダウナーなhiphopを含めると少なからずR&B的な雰囲気の曲が多かった印象があるし、旧譜だと特に2000年前後、SOUL QUALIANS周辺やいわゆるneo soul周辺の音源は改めて聞き直すものも含めてたくさん聴いたし、さらに派生して夏ごろには西海岸のG-funkやchicanoラップやtalkbox使いのむせ返るほど甘いR&Bも相当数レコードも買ったと思う。D'angeloのライブに行けたのは本当にいい経験だったし、夏にはginuwineのライブに行っちゃったり。思うに、今までちょっと気恥ずかしかった「甘いメロディー」の曲に向き合えるようになったような気がする(甘くない、苦めのR&Bも聴いてたけど)。ほんの三年くらい前まではfunkやdiscoばっかり掘って新譜のサラサラしたR&B的な耳触りがほとんど受け付けなかったのが嘘みたいだ。

んで、日本でR&Bを普及させた第一人者による本作。雑誌bmrの連載をまとめたもので、正直、なぜこのタイミングで出したんだろう?という位時代性がないけど、80年代終わりから90年代のR&Bの現場の空気感が伝わって楽しめた。インタビューに応じたり交流を持つアーティストもBobby BrownやらJanet JacksonやらMariah CareyやらGuyやら凄まじい大物ばかりだし。特にJanet JacksonMariah CareyによるQ-tipとのお互いの親密さの証言が食い違ってるところとか、両者と話したことのある人しか分からないし貴重だよなーと改めて思う。あと、意外と個人的にJanet作品で一番好きなgot til it's gone含むvelovet ropeの評価があまり高くないのが意外だった。読んでいて色んな発見があり、もっと掘り下げて聴きたくなる一冊。

D