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webエンジニアのメモ

「新 ほんとうの英語がわかる」を読む。

ほんとうの英語がわかる―51の処方箋 (新潮選書)

ほんとうの英語がわかる―51の処方箋 (新潮選書)

去年アメリカに行って改めてわかったことは、英語力の欠如。とてもじゃないけど「日常生活ならこなせる」レベルにも達していないと感じた。別に仕事で必要になる機会はないだろうけど、映画にせよ音楽にせよなんでもアメリカの文化の影響が強い自分にとって、どこかで集中的に英語の訓練してもっと深いレベルで作品を愉しみたいなと思っていたので、今年はマジで英語をある程度モノにしたいと思う。んで、この本を読んでみた。

感想としては、まだちょっとレベルが高かったかなという感じ。著者のロジャー・パルパースという人は「戦場のメリークリスマス」の助監督を務めたらしく、日本語、英語だけでなくロシア語なども操れる才人。本書でも時々日本語のシャレを入れてみたり、かなり自由自在に言葉を操っている印象で、かつただのネイティブというだけでなく英語の歴史にも詳しいので(ゲルマン語源とラテン語源の言葉の比較など)著者の言う通り、「ほんとうの英語」を理解するための助けになると思う。単純な単語や言い回しの羅列でなく、数人の登場人物の物語仕立てのやりとりを通して「こんな場面ではこんな英語を使うのが適切」というシミュレーションが設定されており、文脈に即して学ぶことが出来る。間違いなく良書。

本書で扱われている単語は逐一辞書を引かねばならないほど難しいものではない。高校卒業程度の英語でもある程度読めるんじゃないかと思う。それでも、やはり微妙なニュアンスや皮肉表現、婉曲・敬語の表現などを「自在に」あやつるまでに至るのはまだまだ遠い道のりだなーと感じた。まず、英語を使う話者と意志のやり取りができるようになってからもう一度読んでみたい一冊。