midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「マシーンズ・メロディ」を読む。

面白い内容なんだが、史実と物語の切り分けが曖昧でちょっと読みづらさも感じた。あアメリカ産のhouseやtechnoがフランスやヨーロッパでどんなクラブやどんな人に受け入れられていったかという歴史の部分は、割とアメリカ起点で語られがちな物語とも違って面白いのだが、明らかに実在のアーティストをモデルにしてたり実名で登場するキャラクターと架空のアーティストが同じレベルで出てくるのでちょっと判別しづらい。「へー、知らなかったけど当時こんなアーティストがいたんだ」と思って色々検索しても辿れなくて気づくという。架空のアーティストのエピソードでも生々しいからリアルに感じてしまうんだよな。同じ漫画というメディアで例えるなら「るろうに剣心」の剣心と斎藤一のような感じだろうか?

アメリカとフランスで同じ曲の需要のされ方が違うというのもポップカルチャーでよく起きる現象かと思うが、1980年代、90年代のタイムラグのなる文化の伝播の感じが懐かしくもあり楽しめた。

個人的には、KraftwerkNew Orderは本当に偉大だったんだなというのが新鮮だった。両方のアーティスト共に自分はすごいファンという感じではないのだが、彼らのファンであるアーティスト(デトロイトテクノの第一世代や電気グルーヴなど)は自分もファンであるという孫みたいな関係性なのだ。もちろん彼らの全盛期の聴かれ方や熱狂ぶりを体験することは出来ないので今彼らの楽曲を後追いで聴いても当時の空気感は味わえないことはわかるのだが、「こんなかっこいいアーティストを知ってるのは自分だけだ!」みたいなキッズたちがアメリカにもヨーロッパにも一定層いたんだなと思うとなんか微笑ましく思えた。