midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

 「破局」を読む。

 芥川賞受賞作。全然面白くなかった。いけすかない感じの無気力で孤独だがモテるという主人公の一人称小説で、なんとなくウェルベックの「服従」っぽさを読みながら感じていたけど、「服従」から宗教性や政治性を脱臭した感じ。全く奥行きを感じないのっぺりした作品世界だった。

物語としても最後にちょっと事件が起きるだけでほとんど起伏がなく、伏線もなければカタルシスもないので、ワクワクもハラハラもしない。文体も妙に冷めた一人称というだけで特に特徴がなく、流麗な表現や驚くような構成もないので、つまらない大学生の日記を読んでるみたいな気分になる。

この作品よりももっと面白い作品ってたくさんあると思うんだけど、芥川賞ってなんなんだろうと感じてしまった。著者が著名なミュージシャンの息子だからとか話題性に引っ張られてたりするのか?