「歴史学者と読む高校世界史」を読む。
歴史を学び直そうということで、素人研究者ではなくちゃんとした史学研究者による歴史認識をインストールしておきたいと思って読んだ一冊。面白かった。世界史で受験勉強した人間として世界史を学んだが、その裏話を聞ける感じで楽しめる。
現役の高校で担当教諭が教えている現場での教科書の世界史として記述と、最新の史学者による緻密な研究の間に相応のずれがあるということを改めて知ることが出来た。高校の世界史の先生も、基本的な世界史を習得していたが、新たな史実を探求するような教科書外の話をするような意欲的な感じは受けなかった。(とは言え、歴史教師としての能力は十分以上にあったと思う。歴史を楽しく学んでほしいという意図が感じられた。)
明治以降の学校教育の中で世界史を教えるということにどんな意図があり、時代が下るにつれてその意図が変わることで地域的だったり時代によって著述分量が変わったり、専門家が薄い領域についての著述が不正確になってしまったりといった実務的な面も含めて世界史を教える環境についておおまかに知ることが出来たのは面白かった。
