midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

 「リル・ウェイン ザ・カーター」を観る。

 特別ファンという訳ではないんだけど、色んな人の評価を聞く限り非凡なラッパーの才能があるんだろうなという印象だったのがリル・ウェウィン。約10年前の25歳前後、出すアルバムがミリオンセールスを記録し、スーパースターとして彼自身が最もノリノリだった頃のドキュメンタリーで、いかにヤバい状態で創作活動をしてたのかってことが分かる映像作品になっている。

とにかく、レコーディング中のスタジオであろうとブース内であろうと彼のマネジメントチームの皆といる時でも四六時中コフシロップを白い紙コップに入れているか大麻を口にしており、完全に依存している。しかしこの状態で頭を働かせ、常人に思いつかないようなダブルミーニングな言葉の使い方やフレーズを息をするような自然体で作りだしていたというのだから天才としか言いようがない。劇中に行われるインタビューで自分のラップを「詩」として事前に書いているかのように聞かれると途端に不機嫌になって否定しインタビュー自体を取りやめにするという場面があるんだが、即興で全てラップすることへの拘りも相当強いのだと思った。最近のラッパーは大体ブース内でスマホを見ながらラップするのが当たり前のような気がするが、彼は何かを見ながらラップしたりノートにメモしたりということが全くない。そして、ヘロインみたいな強いドラッグとかはやらないのか?みたいな質問には「俺の小さい体じゃ受けきれないだろ?死ぬかもしれない」的な返しをしたり、妙に冷静で自分なりの境界線を引いてラップしてるんだろうなという、無茶で破天荒なだけでないクレバーな一面も見えたりして面白かった。