midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

 「少年」を観る。

少年 / ユンボギの日記 [DVD]

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 なかなか面白かった。いまだに観れてないんだけど「万引き家族」の元祖的位置づけの作品らしい。かつて実在した、当たり屋として全国を津々浦々する家族の事件を基に映画化したという物語。少年目線で自分の生活どう成り立たせるか描いており、そういう意味でも確かに是枝監督っぽさはうかがえる。大島渚監督のATG作品。

今から約50年前の1960年代後半の日本の景色や生活風俗をカラーで見れたのがまず面白かった。社会インフラ的には一応テレビもあるし飛行機で旅行もできるし、基礎の部分は今と大差ないようにも見えた。宇宙人の話を主人公の少年がしきりに自分に投影して弟に語り続けるのも当時流行っていたんだろうなという感じがうなずける。

難点としては、低予算ということもあってか映画としての完成度が若干低いこと。主人公の少年が室内から外に出かける時の服装のカットと、次のカットでドアを開けた屋外シーンの服装が違ってたりとか、小道具や特殊効果がかなり稚拙に見える(父親の傷跡とか、事故で亡くなる少女の血とか)場面が見受けられる。あと、方言もあってセリフが聴きとり辛い。特に父役の役者さんは何を言ってるのか半分くらいしか聴きとれなかった。