midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「ヘリコプターマネー」を読む。

これも山形浩生お勧めの一冊。難しい数式も排して、かなり一般読者を意識したフランクな語り口となっておりとっつきやすいのだが、なぜかあまり気に載らず流し読みしてしまった。ヘリコプターマネー、つまり政府が空から貨幣を降らせて回るような政策が今のデフレ日本には必要であり、更に言えばインフレにならないように気をつけつつ量を調整しながらヘリコプターマネーを続けることこそが政府の仕事なんだ、という著者の主張の正当性を丁寧に論じた本。ニューケインジアン達のモデルからクルーグマンのモデルまで、絶妙に同調と批判をしつつ、ハイエクあたりが出てきたりする。終わりの章にはビットコインなんかも出てきており、価値創造の仕組み自体が今後2,30年くらいで一変するんじゃないかと大胆に予想しており、これは「なめらかな社会とその敵」の延長線で読めた。インターネットが95年辺りから一般化して今年で20余年経って社会を一変させたように、ビットコイン今が変革の序章期であって、今後同じようなことになるかもなーと思う。