midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「ボーイズン・ザ・フッド」を観る。

「ストレイト・アウタ・コンプトン」観てから本作も観てみた異と思ってて観てみた。正直映画としては面白くないと思う。本作が発表された同時期と思われるサウス・セントラルを舞台に、黒人青年3人のフッドでの生き方を描く物語。アイス・キューブが3人の中で一番サグな売人役を演じる。

まず、フィクションなのにラストシーンがいかにも実話をベースにしているかのような描き方なのがずるい。フィクションならラストのテロップで説明しちゃった悲劇の部分を作品に描いてこそドラマティックになるし、映画としても面白くなったと思うのだが、尻切れトンボで台無し。

あと、観終わった後に意味のないエピソードが多いことにがっかりする。映画は大きく幼年期と青年期にわかれるんだけど、そういう場合幼年期に伏線を張って青年期に回収する方法が物語としてはうまいと思うんだけど、例えば幼年期に出てきたキャラを青年期に使わなかったり、他にも、幼年期で「むずかしい言葉を知ってる」と評された主人公にその素養が青年期で「成長して文学にのめりこむ」みたいに昇華されなかったり、設定を生かし切れていない感じがもったいない。友人役がアメフトを幼年期から続けてついに大学からスカウトが来るっていうのまではいいと思うんだけど。

恐らく監督個人の思想なんだろうけど、主人公の父親(ローレンス・フィッシュバーン)を通して妙に説教臭いシーンが多いのも鼻につく。間違った道を進もうとする子供に対する言葉なら物語としても説得力を持つけど、本筋に関係なくコンプトンの暴力にあふれる現状について説教垂れるシーンとかは素直に「うぜえなこのおっさん」と思ってしまった。ローレンス・フィッシュバーンは知的な感じを生かして良い仕事してると思うんだけど。

うーん、あんま褒める点見当たらないけど、やはりというか音楽は素敵。ZAPPとか使っててL.A感あったし。