midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

30年後の同窓会」を観る。

早稲田松竹にて鑑賞。「ズッコケ三人組」的でしんみり楽しめた。スティーブ・カレル、ローレンス・フィッシュバーンブライアン・クランストン主演。もうタイトル通りだけど、アメリカ陸軍としてベトナムに従軍した男たちが色んな傷を負いながら30年ぶりに50歳くらいで再会し、お互いの傷を確認しあい、励ますという男臭い物語。再開のきっかけは、3人の中の一人の息子がイラク戦争で不慮の死を遂げるが、調べていくと国の欺瞞が露わになっていくが…、というもの。未見だが、『6才のボクが、大人になるまで。』で世界中の賞を取ったリチャード・リンクレイターが監督。

3人のおっさん達がお互いの距離を測りつつ、お互いを再発見していく描写が本作のミソ。結構くだらない会話劇でもあり、その意味では90年代のタランティーノのようなグダグダ感も持ち合わせる。本作で描かれるような、人種とか宗教も超えて重要な時間を共有した友人って、下手に考え方が近い友人よりも大切な存在なのかも、なんて思えた。

だから、思ったより政治色は強くない。現代のアメリカの陸軍に行く人って、正直進路に困った人が仕方なく行くようなイメージがあるけど(ウィンターズ・ボーンしかり)、本作ではそこまで悲惨な感じもない。それぞれ、アーミー上がりのヤンキーの現在としては比較的恵まれてるんじゃないかなんて思った。アル中ではあってもヤク中ではないし、強いPTSDに悩まされてるなんていう描写もない。それよりも、段取り悪くて旅の途中で飛行機逃がしたり、繰り出して冷えて不味そうなピザを口に運びつつくだらない話をしたり、後で絶対後悔しそうな、お互いだけにフリーダイヤルのクソ無駄な携帯を衝動的に買っちゃうみたいな、「水曜どうでしょう」みたいな全力で楽しいだけの旅を人生で一度だけでもいいから送ってみたいなーとは思う。

面白かったのは、すっかり聖職者っぽくなったローレンス・フィッシュバーンが、ブチ切れると超汚い言葉を使いまくるところ。笑った。