midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

超入門 失敗の本質

サラリーマンにも良く読まれている、太平洋戦争でなぜ日本が敗れたかを組織論として分析した「失敗の本質」を現代風にエッセンスを抽出した本。原作は読んでいないのだが、本書では大きく7章に分けられた負因について「まとめ」を設けて非常に読み易くまとまっており、意識高い系大学生やクズリーマンみたいな(実践できるかは別として)アホでもわかるようになっている。

正直に言ってあまり新しいサムシングはないのだけれど、自分も組織で仕事をしている人間だし、現代にも通じるし、恐らく未来永劫人間の組織に通じるモヤモヤを丁寧に解きほぐして問題をしてきしてくれる良書になっていると思う。

あと、太平洋戦争時の軍人たちの功績についても読んでいて面白かった。石原莞爾東条英機くらいは名前は知っていて、何となく精神主義をかざして日本を敗戦に追いやった悪い人なんだろうと勝手な印象があったけど、辻政信とかインパール作戦を指示した牟田口廉也というより評価の低い愚将がいたり、逆にアメリカの作戦を見破って戦火を上げたりした軍人もいたりと、当たり前だけど一枚岩ではなかったんだなぁと勉強になった。日本とアメリカじゃ国土も資源も技術力も違うし、後ろに引くことも出来ない中で無理やり始めたハナっから勝てっこない戦争なんだと思っていたけど、本書を読んで、あくまで日本軍という組織が全体としてアレだっただけで、組織がうまく機能していれば勝っていた可能性もあったのだなと初めて知った。零戦が優秀な機体だということとかも知らんかったし。