midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「プライベート・スタジオ作曲術」を読む。

音楽が好きな人間として、どうしても憧れるプライベートスタジオ。

結局環境だけあっても実際の作曲に必要なメソッドやモチベーションは別のところにあるんだろうけど、少しずつでもこういう楽しみを覚えていきたいなあ。

本物のスタジオと比べれば防音やノイズなど突き詰めると問題はたくさんあるが、誰もが皆真空のような完璧な設備を必要とするわけでもない。

実際に本書に登場する人のなかでプライベートスタジオで完パケまでする人もいるみたいだし、本人が作りたい音を作れればそれでいいのだ。

誰も彼も、自分の秘密基地を自慢げに公開しているという感じがしてとても面白い。

「コメ旬」を読む。

ラリー遠田という人は前から知っていたが、こんなお笑い評論の雑誌を出してるとは知らなかった。

あまり普段から意識的にお笑いを追っている訳ではないが、芸人本人と彼らが活躍する様々なフィールドにスポットを当て、単なる印象批評に終わらずに後世に残せる研究・批評を盛り込めていると思う。

「地下芸人」とか、本当にカルトな現場に生きてる芸人の紹介とかを見てると、人間の笑いに対する需要は本当に多岐に渡って、それに合った技術で笑わすことで生きている人がいるんだなと素直に感心する。

「松嶋×町山 未公開映画を観る本」を読む。

松嶋×町山 未公開映画を観る本

松嶋×町山 未公開映画を観る本

町山さんという人は、映画に大して「本来はこうあるべき」という形を提唱する語り口が嫌いで(こういう点だと蓮實重彦的な、「映画というテキスト自体のみから批評する」というスタイルの方が性に合う。難しくて読みにくいけど)、昔聞いてたポッドキャストとかも効かなくなってしまったけど、本書くらい軽く読めると楽しめることが分かった。

主に「アメリカのブッシュ的なもの」を批判的に語るトーンで終始貫かれているが、彼の政治的心情もそのように位置しているのだろうか。

ま、しかしやっぱりこういうの読むのっていかにも中二的な、「世界の裏側を知ってる俺カコイイ」と悦に入る精神をもった人が多数なんだろうなあ。自分もその射程範囲にいることを否定しないけど。