midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「女芸人の壁」を読む。

少し前からAマッソ加納さん出演の「トゲトゲTV」が面白く観ていて、その流れで知って読んでみたいと思っていた本。自分とは働く環境も性別も違うけど共感できること、発見も多くて面白かった。ゴリゴリのジェンダー押し付けに対する反発とか世直しみたいな雰囲気はなく、著者自身が最近感じる女性芸人やネタに関するモヤモヤを解き明かしていく作業という感じでスタンスが近いことも読みやすさに繋がってるかも知れない。性別や容姿が武器になったことも足枷になったこともあるという、単純なコンプライアンスで割り切れないリアルな体験談も多かった。

もちろん性別的な話全く関係なしで、芸人としてどんなメディアでどんな人とどんな活動をしたいかとかクリエイターの創作論として面白い。ピンで客なし配信でネタやっても全く反応がないので出来っこないとか、人生のステージが変わったことで、誰かにキレるという芸に感情が乗らず難しくなってしまうみたいな芸人でしか味わえないような話とか劇場での下積みがないままテレビで下積みのある芸人たちとモノを作る大変さとか全て面白かった。