midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「モンストレス」を読む。

こちらはバンドデシネではなくアメコミ。動物と人間と獣人とが複雑に入り乱れて生活するアジアっぽい雰囲気のある地域が舞台で、ハーフウルフである主人公が自分の生い立ちや意図せず自分の体に同居することになった「モンストレス」の謎を解き明かす冒険を描く、重厚で緻密なファンタジー作品。

1〜3巻までしか読んでないが、めちゃくちゃ重厚。1巻からして、これまで5巻くらいあった?と聞きたくなるようなレベルで聞いたことのない人物名・地名・団体名などの固有名詞や世界観を表現するような要素や概念が出てくるので正直混乱する。「指輪物語」に出てくるホビットとかドワーフみたいな言葉であれば説明なしに頭に入ってくるけど、急に「アーカニック」と言われても?となってしまったり。

一話ごとにこの世界の「詩人」として活躍するネコたちによる世界観や歴史の解説が文章で入るので決して不親切な作りではないのだが、人物相関図や年表みたいなのを頭で整理して読まないとついていけない。3巻くらいになってやっと冒険の感触や主人公の心情が掴めてきた感じ。

とは言え緻密な物語とは別次元で絵による表現力が凄まじい。どこの国でもなさそうなデザインの衣装、建物などの風俗、獣人たちの外見など物凄く凝っていて、カラーなのも相まって一枚絵として美しい。また、自分の半身に巣食う意志を持った化け物を制御しながら戦うバトルやアクションシーンはケレンみあり迫力ありで、世代的には「地獄先生ぬ〜べ〜」や「寄生獣」や「もののけ姫」とかオーバーラップしてしまう。

物語的にはまだ3巻終わっても主人公が世界の中で各所から注目を浴び始めたという感じくらいなので、続きも読んでいきたい。