midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「見えない違い」を読む。

こちらはアスペルガー症候群と診断されたJulie Dachezさんの体験を元にしたバンドデシネ。自分はアスペルガー症候群ではないが、すごく共感できる話が多くて身につまされた。仕事して友人がいて恋人もいる生活を送る主人公だけど、どこか適合できない場面が多くて「見えない違い」に苦しむ様子をリアルなエピソードでまとめており、巻末にはもう少し学術的・医学的にアスペルガーについて解説している。

絵柄はシンプルで可愛らしいが、日本の漫画と違ってカラーを使った表現が巧みで印象的だった。主人公にとって耐え難い、ガヤガヤうるさい部屋や声などが赤みを帯びていて、逆に落ち着いて自分のペースで静かに過ごせる環境が白黒や青っぽく表現されていたりして視覚的な効果が高い。「ああ、無理して周囲に合わせようとしてる」という感が伝わる。職場とかがそうやって「赤く」なると、とりあえずトイレに駆け込んで顔を洗うと「青く」なるみたいな演出があってまんま自分も同じなので笑った。

とは言え、全ての人の事情を全て考慮して接するなんてことは出来ない。自分も偏見の塊りではあるので、なるべく色んなパターンを知ることでコミュニケーションの質を挙げていこうとは思うけど、人を意図せず傷つけた言動はたくさんあるだろうし、自分もされてきたとは思う。本書でも過去に著者が言われてきたであろう偏見を投げかける声がたくさん紹介されており、そういう人にならないように気を付けようと注意するばかりだ。

ただ、納言の幸さんの「神田の女はすぐ金券ショップに入る」みたいなネタじゃないけど、偏見に満ちまくった言動って逆に面白くもなってしまうのでコミュニケーションって難しいなと思うのだ。

TEDの話も勉強になった。

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