midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

 「ロスト・ラッド・ロンドン」を読む。

めちゃくちゃバンドデシネっぽい雰囲気に惹かれて読んでみたけど、どちらかというとオノ・ナツメっぽい雰囲気だな。3巻と短くまとまっているし、サスペンスとして面白いんだけど、驚くような展開や手に汗握る攻防戦もないしちょっと小粒だった。そのせいか、なんとなく斜に構えた感じというかオシャレぽさというかスノッブな感じがしてしまう。 登場人物もスタイリッシュで少女漫画的だし、舞台も現代のロンドンで画面構成も白黒でかっこいい感じなので、もっとダサく人間臭い感じにしても良い気がする。キャラも結構人間関係はドロドロする雰囲気はあるけど、話の中でそこまで深く掘り下げないので、割とあっさり解決して終わった感じがあった。例えるならば闇金ウシジマくんに出てくるような醜さや汚さがこの作品にないんだよね。

とは言えいかにも「日本のマンガ」って感じの最近の作品とは題材や視点が違くて面白いのは確か。今、ジャンプの企画でやってるミリオンタッグという漫画家と編集者がバトルする番組を楽しく見ていて、漫画家さんは皆、絵や演出や話を構成する力量は感じるんだけどインプットとなるマンガが似ちゃっている印象はどうしてもあってちょっと悲しかったりするのだ。もちろん将来的にジャンプで連載する少年漫画というジャンルで競っているから当たり前っちゃ当たり前なのだが、発想が似ていて作品の設定が被っちゃう回もあったりしてもったいないなとも思う。


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