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webエンジニアのメモ

 「統計学が最強の学問である[ビジネス編]」を読む。

統計学が最強の学問である[ビジネス編]――データを利益に変える知恵とデザイン
 

 統計学が最強の学問であるシリーズの2冊目。マーケティングや人事やらと様々な立場から、実際にビジネスで統計学を活用するための考え方だったりコツを紹介してくれる。徹底して、著者が実際に企業から聞いたつまづきポイントとかをいかに攻略し、ビジネスに実利をもたせるかという観点で書かれており、「お勉強」感なく読めるのが素晴らしい。

以下、気になったフレーズのメモ。

リサーチデザインの重要性 … 自分がやろうとしていることなんて、頭のいい人が大体先行研究として議論しつくしてるという前提に立って考えた方がいいし、それを踏まえて新しいことが出来ないか模索するのが一番だよねという考え方。google scholarなど、論文検索サービスも発達してきている。ビジネスマンのためのシステマティックレビュー分析技術も付けておきたい

アウトカムの値 
機会学習では外的基準という。アウトカムが定量的な数値であれば重回帰分析、どの要因がどの程度影響しているか(多変量解析)、ある状態か否かの場合はロジスティック回帰を使うのが手っ取り早い。


相関の強い変数の縮約 … 当たり前すぎる変数は縮約しないと本当に知りたいことがわからなくなる。


データの切断・打ち切りに気をつける … 単純にデータが足りていないだけかもしれないのに、手持ちのデータから全てを説明しようとすると失敗する危険がある。


ステップワイズ法と説明変数の数


人事における選考方法ごとの業績説明力
色々と相関はあるけど、ワークサンプル(実際に働いてみての感触)が一番業績説明力としては高い。勉強と仕事の相関性は3割ほど。そして、情強適合理論という状況次第でパフォーマンスは変わるという考え方もある。


営業の指標を粗利だけにすると、全員がセンターフォワードのようなチームになる危険がある。チームとしてはディフェンダーも必要なので、指標をよく考える必要あり。


意味のある差別化かどうか、見向きもしない放置された領域か … そのまんま。何でも差別化戦略を取ればいい。

アップリフトモデリング … A/Bテストにより得られたデータを元に、介入の純効果を予測することで(広告や医療の分野における)より効果的な介入を目指す手法。


クラスターごとのアウトカムの平均値を出せば、マーケティングの効果は大分測れる。

タバコのCM「truthキャンペーン」 … 未成年の喫煙を抑制したいなら、カッコ悪さを前面に押し出すCMが効果的というもの。

サウスウエスト航空のマネジメント … 差別化戦略がうまく行って経営が上手く行った好例。


保険のアクチュアリー … 健康や寿命に関する統計学スペシャリスト