midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

「アル中ワンダーランド」を読む。

アル中ワンダーランド

アル中ワンダーランド

twitterもフォローしてるまんしゅう先生の作品。峰なゆかの「超おもしろい! 超わらえない!」という帯コメントまんま。自分も自覚症状あって笑えるんけど、笑ってる場合じゃないという。ただ、アル中で隔離病棟に入った大先輩の漫画家である吾妻ひでおの「失踪日記」と比べると内容は幾分マイルド。極度のプレッシャーからアル中になってしまう漫画家の自伝的な作品。

共感できて悲しいのが、「アルコールの力を借りないと人とコミュニケーションが取れない」ということ。実は昨日ある飲みの場で意識的にアルコールを控えてみたのだが(ダイエット中でもあるし)、痛切にそれを感じてしまった。滑らかに話すことが出来ず、気のきいたことも言えずに途切れ途切れでボソボソとした話し方になってしまう。素面だと気になる人がいても顔色を窺ったり話しかけるのを躊躇してしまうのだが、飲むと頭で考えるより前に口から言葉が出てくるというか、反射的に積極的に話すことが出来るのでアルコールに頼ってしまう。普段から豪快で飲みっぷりもいいタイプとは真逆で、普段は自分に自信がない、変に真面目で鬱屈してるのに「酔うと豹変する」タイプなんだよな…。酔っておかした失態は数知れないし…。

あと、酔ったテンションで色々な雑務をこなしてしまう、というのもとても共感できた。著者は酔ってる間に部屋の掃除をしたり料理を作ったりできる(でも朝になるとその間の記憶がない)んだけど、全く同じ。というか俺の場合飲みながら自分のつまみを作ったりするので、自宅で飲むのと料理するのは半ばセットのようになってしまっているし、痛飲すると朝になると作った覚えがうろ覚えの料理が鍋に入っていたりする。いつか包丁でスッパリ指とか切りそうで怖い。

本書ではそういう「痛さ」をきちんとエンターテイメントしているので立派だとは思う。