midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

次はヴィム・ベンダースの「ランド・オブ・プレンティ」。

パリ・テキサス」とかに近い雰囲気のアメリカの田舎の風景が綺麗で、若干ロードムービーっぽさもあるんだけど、ちょっと期待はずれだった。

ストーリーは怪しい人を勝手にパトロールして回る怪しいベトナム帰りのおっさんとイスラエル帰りの活発な少女とのやりとりを通してアメリカの今を問う、みたいな内容で、「ヴィム・ベンダースっぽくない」と感じる内容だった。

なんというか、すっきり整理されすぎてて、「言いすぎ」てる感が強い。オチもすぐ読めるし(ただ、俺はおっさんが暴走してアラブ人を射殺して…みたいな流れも想像してたけど)、ラストに二人のかなり「直接的」な会話を通して観客にメッセージを送るんだけど、ちょっとストレートすぎてもうちょっと映像で見せて欲しかったなーというのが正直なところ。無垢な少女に癒される暴走した男というのも何か陳腐な感があるし…。

あと、結局少女の成長は描かれないんだよね。ラストでこれからの覚悟は語るんだけど、思想的に対照的なんだけど二人は思いっきりガチンコでぶつかり合うことはなくて、おっさんが勝手に転向していくというだけで。そーじゃなくてもっと二人とも弁証法的に次の段階に行ってほしかったというのはある。また、小さな疑問だけど教会にいるときとモーテルにいる時ずっとメッセしてたけど、誰と話してたんだろう。イスラエルの友達なのか?母は亡くなってるはずだし、彼女のバックボーンがちょっと見えなかったなぁ。おっさんが頭怪我してもメッセは続けてたから大事な人なんだろうし、そういう部分は描いて欲しかったな。

あと、少女役のミシェル・ウィリアムズがすっごい可愛かった。帽子とショールをかぶったルックがとても良い。ブロークンバック・マウンテンにも出てたらしいけど顔覚えてないなー。嫁さん役の人か?あっさりした顔の美人さん。