midnight in a perfect world

webエンジニアのメモ

言ってはいけない 残酷すぎる真実」を読む。

2017新書大賞なんてものを受賞した橘玲の新著。「人間は誰しも平等で、努力すれば必ず報われ、〝見た目″はそれほど大した問題ではない」なんて建前を基に社会は構築されてる(というかせざるを得ない)けど、遺伝、見た目、教育、性、人種など、自分の意志で選べない要素によって人間はかなりの部分を規定されちゃってるってのが最新の脳科学や遺伝学の研究から明らかになってるよ、というお話。全うに生きてりゃ別に最新の研究成果を駆使しないでも何となくの感覚で分かりそうなことが多いんだけど、ちょっと眉唾感も感じた。かなり参考文献も多く、博学な著者ならではの一冊なんだけど、根拠として示しているそれらのデータがどれだけ信頼出来るんだろう、という感じ。そして、ちょっと自分の印象論で補記しているというかミスリードしているような描写も多く感じた。双子で一方が裕福な家庭で、一方は貧しい家庭とそれぞれ全く別の環境で育ったにも関わらず、同じように荒んだ一生を送った例とか挙げて一般化し過ぎてるように感じたり。要はこういう露悪的な内容が読者から求めらてて、そっちに寄せ過ぎてんじゃね?というか。個人的に初めて知ったのが、人種によって学力に有意な差があるとかいう話。さすがに運動能力に差があるのは認めていても、同じ学習をしていたら学力に差は出来ないんじゃないかと思っていたけど、そうでもないらしい。ちょっとこの話も若干疑ってしまっているけど。